コロナウイルス対策
なかなか収束しないコロナウイルス感染。
現在は高齢者でも感染経路不明が多く出ております。つまり市中感染が中心となり油断すればどこで感染してもおかしくない状態です。
対策は当然3密を避けることですが特に冬は乾燥しているためウイルスが浮遊しやすくエアロゾル感染がしやすいといわれています。また喉の表面には繊毛があり外界からの異物を外に出す役目がありますが、乾燥しているとその動きが悪くなりウイルスが侵入しやすくなるそうです。
つまり、湿度を保つことによりウイルスを下に落とすとともに、マスクでウイルスの侵入を防ぎながら鼻やのどの粘膜保護が重要です。
我々歯科医師も日常の診療では最大限の対策をとっておりますので安心して受診してください。
歯髄再生療法が現実に?
兵庫県のとあるクリニックで歯髄再生療法を行い、その申請を厚労省が受理したそうです。まだ認可されたわけではないようですが。
歯髄とは一般的には神経と言う言葉で患者さんに説明されますが、この歯髄があるかないかでその歯の寿命が全く変わってきます。ですから大きな虫歯で歯髄(神経)を取った後に歯髄を再生させることができることは夢の治療なのです。
その方法は親知らずの幹細胞を培養し、薬液を混ぜて歯髄を取った後に入れるのです。
その後数か月後に歯髄が再生され1年後には象牙質も再生されるそうです。
ただ疑問なのが歯髄を取るときに歯のかみ合わせの面から穴をあけて処置するわけですから、その時点で一番表層のエナメル質はなくなるのです。今回の再生療法でエナメル質の再生はできるか否かはわかりません。一般的に考えれば、もともとのかみ合わせの面の形まで再生できるとは思えません。となると最終的にかみ合わせの面は人工材料で修復するのかもしれません。
ちなみに費用は自費診療で50万~70万円のようです。
歯並びが悪いとなぜいけないのか
正常な歯並び(かみ合わせ)は上下の歯が歯車がかみ合うような感じで緊密にかみ合うのが良いです。
かみ合わせが悪いと咀嚼能率が悪く咀嚼回数が減り食事は飲み込みが多くなりがちです。
かみ合わせが良い人は無理なく効率の良い咀嚼ができ、咬む回数も自然に増えます。
かみ合わせが悪いと無理に力を入れて咬むことが多くなり、成人になって(特に高齢)
歯への負担過重で歯がぐらついたりすることがあります。
時々、歯並びが悪いと虫歯になりやすいといわれますが、確かに歯磨きは難しくなりがちですが、臨床的経験では普通に歯磨きを習慣づければそこまでたくさんできません。
それより成人になってからかみ合わせが原因によって起きる不具合の方が問題だと考えます。
子供さんの歯並びについて
前回は過蓋咬合についてお話ししましたが、過蓋咬合であろうが、前歯のデコボコであろうが結局は舌がしっかりと機能した哺乳ができなかったことが原因と言われています。
お乳を吸うときは上あごと舌の間に乳首をしっかりとくわえて、舌でしっかりとおしつけられ、そして舌は波を打つように動きながらお乳を飲み込むのです。
その結果としてあごの骨は押し付けられるように外のほうに成長していくのです。
そして歯が十分並ぶだけのあごの骨の大きさになっていくのです。
一般的に歯医者さんへ行く理由は虫歯が原因で行くことがほとんどであり、乳幼児のころには受診の機会があまりないと思われます。
妊婦さんは市の行っている妊産婦検診の時にでも歯医者さんで相談されるとよいでしょう。
最近の乳幼児の歯並びについて
コロナウイルスによる自粛で撮影を行っていなかった数か月間です。
これからは、撮影ばかりでなく歯科情報を話してみたいと思います。
私が若いころは、子供の口の中は虫歯だらけの時代でしたが、歯並びの悪い子供さんは少なかった気がします。
それが現代では、虫歯はないが、歯並びの良い子供さんを見つけることが困難な状況なのです。特に過蓋咬合(上の前歯に対して下の前歯が半分以上隠れている状態です。)の子供さんが目立ちます。別の言い方をすれば下の歯列アーチが小さいのです。
先天的原因もあるでしょうが後天的原因には、乳児からの母乳の与え方、離乳食や固形食の開始時期と内容が良くないのです。つまり舌は口唇が正しく使われないような哺乳や食事の仕方に問題があるとされています。
詳細な説明は時間がかかりますのでこの場ではしませんが、心配なお母さんは歯医者さんで一度相談してみてください